一般的に知られている合気道。
その源流となる武術より分派した、新しい流派の古武術がある。
合気道とは兄弟関係といえる武術、合気柔術の稽古に参加する。
古武術活法会で稽古している武術も源流は同じだ。
緊張し、堅くなっている。
最寄りの駅で下車し、道場へ向かうが一向に辿り着けない。
もうすぐ稽古の時間になってしまう。
慌てて住所と地図を確認すると、道を間違えている事に気が付く。
道場へ電話連絡をすると、
師範と思われる男性がでて、優しく笑って対応して頂いた。
10分ほど遅れて道場に到着。
そこは、ご自宅・仕事場・道場を兼ねた建物だった。
呼び鈴を押すと直ぐに師範が顔を出し、
ニコニコしながら道場に案内してくれた。
入会手続きをし、着替えを済ませると早速稽古。
師範と私のマンツーマンだ。
まずは開脚のストレッチ。
身体が堅い私には辛い体制だ。
ストレッチをしたまま、お互いに自己紹介。
私の武道歴や入会の動機、どこでこの道場を知ったか等。
師範は、道場やご自分の事、通ってくるお弟子さんの話等。
同じ体勢で20分程会話をし、
緊張している私の心と身体をほぐしてくれた。
さあ、始めようか! という師範の声。
まずは基本の合気上げ。
お互いに正座をして向かい合い、膝の上に置いた両手を押さえてきた。
腕を上げてみなさい・・・
びくりともしない。
では、私の腕を思いっきり押さえて。
まずは力でやった場合・・・ やはり師範は私を上げられない。
では合気を使うと・・・
不思議な事にスッと上げられてしまう。
もう一度!と言って腕を押さえると、
また軽々と上げられて、コロっと投げられてしまった。
力は殆ど感じられない。
師範は今年で68歳。診た感じは60歳手前。
10歳は若く見えるが痩せていて、とても怪力があるようには見えない。
合気は力じゃないんです。
と説明を受けるが理解ができない。
合気を使えば、自分の筋力の何倍以上もの力を相手に及ぼすことができる。
・・・。
どうすればいいんだろう・・・
感じることです。そして、気付くことです。
・・・。
まあ、今日は初日なので、わからなくて当然です。
じょじょにわかってきますよ。
その後、力で掛けた場合と合気を使った場合で色々な技を掛けて頂いた。
力で掛けた技は、何とか踏ん張ることができることもあった、
合気を掛けられると簡単に投げられ、極められ、激痛が走る。
古武術活法会の稽古で感じる痛みとは別の痛みだ。
さんざん技を掛けられてヘロヘロになったところで稽古終了。
最後にまた
感じることです。そして、気付くことです。
と。
師範の顔が仙人に見えてきた。
合気は是非とも習得したい。
次回の稽古の予約をし、道場を後にした。
知らないだけで世の中は広い。
色々な技があり、強い人がいる。
帰りの電車の中、稽古の内容を思い返す。